7/20 kaigoスナック@三鷹 開催しました!

7月20日にkaigoスナック@三鷹 開催しました!

今回も前回に引き続き、三鷹市中原の「多世代コミュニティホーム ふぁみりあ」様の会場にて行いました。

嚥下障害当事者の方とそのご家族様・関係者様のお客様は4組ご参加されました。

前回のkaigoスナックはNHK「ひるまえほっと」にて放送されましたが、その際に取材にご協力下さった脳梗塞で胃瘻をされている寝たきりのTさん。
数年ぶりの外出で、体調管理や車の手配など、奥様が本当に頑張ってくださいました。
「これが最後のお出かけになるかもしれない」そんな思いで今日の日を迎えられ、
普段のお姿とは全く違った、爽やかな花柄のシャツに赤いキャップの装いでお越し下さいました。
覚醒状態はあまり良くなかったのですが、「乾杯!」の声とともに奥様がとろみビールをお口に運ぶと、数口、嗜まれました。
焼き肉ゼリーも数口召し上がり、奥様も大変喜んでくださいました。
吸引器のスタンバイや、協賛の(株)AZUMAの民間救急の看護師さんも横で付いてくださいましたが、特に処置も必要なく過ごされました。

多系統萎縮症のTさんは娘様と一緒にご参加でした。
病気の進行に伴い、気管切開・胃瘻をされています。
口から食べることに困難がありますが、これまでのリハビリによって、お楽しみ程度にゼリー食を数口召し上がるのは可能でした。
今回のkaigoスナックの参加に向けて、嚥下の主治医とも連携を取り、ゼリー食に加えてミキサー食の嚥下も可能であることがわかりました。
当日はゼリー状に調整したお寿司、焼き肉ゼリー、とろみビールなどを娘様と一緒に楽しまれていました。
「父は人が楽しく集まる場所に行くのが大好きだったので、kaigoスナックに是非参加したい」と娘様から伺っており、
それが叶ったご本人様の笑顔を見て、こちらも幸せな気持ちになりました。

(撮影:星野哲様)
(撮影:星野哲様)

kaigoスナック常連の20代の脳性麻痺のJくん。今回はお母様と、ヘルパーさんと来てくれました。
Jくんがいないと始まらない!というほど、kaigoスナックの顔になっています(笑)
お母様はいつも、いろんな事業所のヘルパーさんを連れてきてくださり、
「いろんな事業所の人に、この取組を知ってもらいたいから」とおっしゃってくださいます。
お母様は以前にkaigoスナックママとしてもご活躍頂いたので、また機会があればぜひママ参加もお待ちしています(笑)

(撮影:星野哲様)

そんなJくんと同年代のSくんもお母様と参加してくれました。
「23歳になったけど、お酒は飲ませたことないのよ」とおっしゃりながら、お母様がとろみビールをSくんの口に運ぶと、
生まれてはじめての味に「苦い!」の表情が全開でした(笑)
お口直しにとろみオレンジジュースを美味しく飲んでいました(笑)
Sくんは「肉が好き」とお母様から伺っていて、焼き肉ゼリーもたくさん食べてくれました。
お寿司も全種類一通り食べてくれました。
お母様は「こんな会があるなんて全然知らなかった!また機会があったら参加したい!」とおっしゃってくださいました。

そんな参加者の皆様とともにテーブルを囲んでくれたのが、今回別枠で参加を募った「kaigoスナックママ&マスター研修」の受講生の皆様。
医師、看護師、管理栄養士、介護士、などの職種の方々や、スナックをテーマに番組を制作されているディレクターの方など、多彩な参加者の皆様でした。
東京、神奈川、遠くは新潟から(!)もお越し下さいました。
「嚥下食に興味がある」「こんな場作りをしたい」「当事者の方とテーブルを囲んでお話したい」
「スナックに通っていた世代の高齢者の方がもう一度通いやすくなるようなヒントを得たい」
皆様いろいろな目的意識を持ってご参加くださいました。

 とろみビールの試飲をされているママ&マスター研修者の皆様(撮影:星野哲様)(撮影:星野哲様)

今回のメニューについて、一つ一つ在川シェフから皆様にご説明しつつ、召し上がっていただきました。
お寿司は季節に合わせてうなぎの蒲焼き風のネタを乗せたり、たまご寿司にツナマヨチーズを乗せて炙って風味を活かしたりしました。

定番の焼き肉ゼリーは直前にバーナーで炙って皆様にお楽しみ頂きました。嚥下が特に困難な方には炙らずに提供するなども配慮しました。焼き肉は老若男女に大好評で、皆様にたくさん召し上がっていただきました。

イーエヌ大塚の「あいーと」の新商品のうどんを、冷やしうどん風に提供しました。
見た目も海老の色が綺麗で、でも舌で潰せて食べやすい不思議なおうどんです。出汁のお味もしっかりしていて美味しい一品です。

そしてそして今回のデザートの目玉は、なんといっても長崎から送っていただいた「なめらかすてら」です!
これは長崎大学の歯科医師の三串先生が中心となって開発された、嚥下障害の方にも食べやすいカステラです。
カステラは長崎の名物なのに、『カステラは嚥下障害のある高齢者にとって危険な食べ物』と介護福祉士の国家試験に出るぐらい、食べにくい危険な食べ物であるという常識が植え付けられている、そんな現状にショックを受けたとのことです。

そんな長崎のカステラへの愛情から、「舌でつぶせる、まとまりのよい、なめらかな」カステラが生まれたのです。
今回、ご縁があって、kaigoスナックにご提供いただきました。今後もkaigoスナックの定番デザートになると思います。
本当になめらかで食べやすく、味もとっても美味しいです。
今回はフードケア様の商品の栄養付加された常食用のカステラと食べ比べてみたのですが、食べやすさの違いがやはり歴然としていました。
初参加の脳性麻痺のSくんが、なめらかすてらをたべるときの口の開け方が明らかに良くて、表情もキラキラしていました!
(左がなめらかすてら、右が普通のカステラ)

また、デザートのもう一品は、在川シェフの「かき氷風ゼリー」。
見た目も涼やかで、味もよく、するんと飲み込めて、こちらも夏のkaigoスナックでの定番となりつつあります。

やっぱり、嚥下食って、見るだけじゃなく食べてみないとわからない、
こんなに美味しいものがあるんだ、こんなふうに工夫したら美味しく出来るんだ、
そんな学びを得るとともに

やっぱり、誰かと一緒に、楽しく、ワイワイ、食べたい
お酒もあり、おつまみもあり、きれいなお姉さんもいて(笑)
そんな幸せを再確認する

kaigoスナックはそんな場です。(撮影:星野哲様) (撮影:星野哲様) (撮影:星野哲様)(撮影:星野哲様)

そしていつものカラオケ大会。
脳梗塞のTさんの奥様が 大月みやこの「女の港」を歌ってくださいました。
ご主人が好きな歌だそうです。

多系統萎縮症のTさんは 福田こうへいの「南部蝉しぐれ」をリクエストしてくださり、
在宅主治医の東郷先生と、ママ&マスター研修でお越しいただいていた医師の先生とで
最後には手を握り合って熱唱していただきました(笑)その様子をみて会場もTさんも大喜びでした(笑)
(撮影:星野哲様)(撮影:星野哲様)
医師二人で熱唱中(笑)

初スナック 初ビール のSくんは「世界に一つだけの花」を歌うと笑顔になる、とお母様が教えてくれたので、みんなで歌いました!

そして今回、会場に花を添えてくださったのは、
前回のkaigoスナックにご参加くださり、NHKの取材にも応じて下さった、ALSの患者さんであるNさんの絵でした。
今回は事情により残念ながらご参加が叶わなかったのですが、たくさんの絵をご提供くださいました。
Nさんも気管切開・胃瘻をされており、手足も動かない中、頭部に筆を固定してキャンバスに向かい、素晴らしい絵を描かれています。
昔から絵を描くこと・絵を鑑賞することが好きだったというNさん。
障害があっても、やりたいこと・工夫したら出来ることを見つけてそれを実際に実現していらっしゃる姿は、私達に勇気を与えてくださいます。

今回ご参加頂いた4組の皆様、Nさん、この場に集って下さった皆様とともに、
「人の可能性は 誰かが決めつけるものではない 安全を守りながらも 出来ること・したいことを見つけて 工夫して 実現していくことは可能なんだ」
ということを、実証・実感出来たと感じます。

今回、スタッフとして関わって下さった、日本kaigoスナック協会理事のメンバーの安永さん・冨山さん、(株)フードケアの在川シェフ、東郷医院歯科衛生士の川野さん、みんなのWAの天音さん、
(株)AZUMAの民間救急の永井さん、柿沼さん、冨永さん、
本当にありがとうございました。お疲れさまでした。

また、食材でご協力頂きました(株)イーエヌ大塚様、(株)マルハニチロ様、(株)酒井薬品様、(株)サカイ・ヘルスケアー様、ありがとうございました。
フライヤーデザインでご協力頂きました(株)文伸様、ありがとうございました。
会場提供でご協力頂きました、(福)みたか福祉会 多世代コミュニティホームふぁみりあ様、ありがとうございました。
いつも細かいお心遣いをありがとうございます。

kaigoスナックはこれからも、嚥下と栄養についてゆるく楽しく学ぶ場として、企画を重ねつつ、
こんな場を色んな所で企画できる人を育てつつ、
いつか街のお店でも日常的に、こんな場が当たり前になる未来を描きながら、活動してまいります。

一般社団法人日本kaigoスナック協会
代表理事 亀井倫子